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敦美はどこに行ったのか? あぶない女94


第94章

上野が出ていった“ジャズバー静”は、俺に孤独を提供していた。

……それにしても、敦美はどこに行ったのだろう。昨日も警察に出頭していたのだから、そこまでは予定通りということだ……

……警察署を出たあとで、予定外の出来事が敦美の身に起きたと考えてよさそうだ……

……交通事故や事件に巻き込まれた可能性は、警察が確認してくれたので、まずあり得ない。まさか、見知らぬ俺のような男がいて、そっちの男の方に行ってしまった、と云うのも推理が飛躍している。となると、何者かに拉致され、監禁されていると考えるのが常識的結論だ……

……しかし、敦美を拉致監禁した人間は、そのことで、何を得ようとしているのか、そこが判らない……

……敦美を監禁して、敦美の財産目当てに、恐喝を働こうとしているのだろうか……

……敦美が大金を所持していたとは思えないのだから、現金を脅し取るとしても、キャッシュカードが必要だ。しかし、キャッシュカードにしろ、資産関係の書類も含め、すべてホテルの保管庫に預けていると敦美は言っていた。つまり、恐喝の為の監禁である場合、敦美は、必ずホテルに戻って来ることになる筈だ……

……そうか、敦美が監禁され、金品を要求されている場合、拉致した人間と敦美は、Oホテルに戻ってくる可能性がかなりの確率であるわけか……

……ということは、敦美の身を本気で心配するのであれば、俺は、ホテルの部屋で、拉致監禁した人間と敦美を待ち受けなければならないことになる……

……現実には、敦美を監禁するような暴力的人間を相手に、俺が一人で立ち向かうと云うのは、ひどく乱暴な話だ。この程度の事情で警察に保護のようなことを申し出ても、応じてくれることはあり得ない……

……となると、こちらサイドで、何人か屈強な奴らを雇わなければならなくなる。しかし、拉致者と敦美が、いつ来るかも判らないのだから、それも無理だろう。それに、俺が、敦美の失踪に関して、そこまで介入する意味合いが不明だ。そこまで義理立てする立場ではない筈だった。出会い系のSNSで数回会った女に過ぎないのだから、そこまでする義理はないだろう……

……しかし、失踪した時点で、敦美側の接触者は俺だけなのだから、ある程度の責任はあるのだろうが、それがどの程度の責任なのかハッキリしない。そうだ、せめて、敦美がいつまであの部屋をキープしているのか、その程度はたしかめる必要があるのだろう……

……しかし待てよ。敦美を監禁し、恐喝している人間が、敦美と同伴してホテルにのこのこ顔を出すとは考えにくい。拉致監禁までした人間が、不用意に顔出しするというのはあり得ない。何か、違う手に出てくる筈だ。そうだ、敦美にしてみれば、俺に連絡を取る以外、犯人の要求に応じる手はないと主張するのではないだろうか……

俺が、今すべきことは、ホテルの滞在期間延長の手続きだと思った。ホテルの保管金庫が、敦美の金庫である限り、それを維持してやることが重要だった。

部屋の内線から、宿泊の延長を申し出て、前払いさえすれば、部屋が変更されても、保管金庫はキープされる。

“ジャズバー静”を出た俺は、再びOホテルに向かった。

つづく


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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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