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あぶない女 39


第39章

メールの意味を敦美が理解出来るかどうか、自信はなかったが、ここから先は、その能力を信じるしかなかった。

幾分、誠実さを欠いた妥協という部分は残ったが、ほぼ他人に近い人間としての誠実さの限界だろう。これ以上、俺に何が出来るというのだ……。

目が覚めたのは、昼近かった。

俺は慌ててパソコンを開いた。どこか、後ろめたさを抱えた俺の目に、はじけた文面のメールが飛び込んできた。

“ヤッホー!家出してきたよ。今、日本橋のホテルにチェックインしたよ。三日連泊で部屋が取れたので、ゆっくりのんびり。明日、会うのもこの部屋にしよう。キングサイズのベッドもあるし、景色も最高!”

敦美のメールは相当軽薄なものだったが、俺の重苦しい気分を解消してくれた。

“キングサイズ”のベッドという言葉が書き込まれている以上、そのベッドの上で性的な行為をしようという含みがあるのだろう。しかし、俺のどこかで、危険を知らせる警報が鳴っていた。

敦美の固太りな肉体には、男を魅了するものがあった。無論、シャブ中毒症状が現れている女でなければ、あの場で、文句なしに、かぶりついていただろう。

しかし、敦美が薬を飲むのをやめたよ、と知らせてきたメールが真実だと云う証明はなかった。シャブ中の度合いにもよるのだろうが、仮に、強い意志があったとしても、そう簡単にシャブの摂取から遠ざかれるものなのだろうか。

シャブ中の女と、男女の関係になった場合、俺にどのような危険が及ぶのか、そこがハッキリはしなかったが、警報機が鳴ったということは、危険の累が及ぶぞ、ということなのだろう。

敦美が、今回の家出の実行に、どのくらいの決意で臨んだのか、今ひとつ、ピンと来ない部分があった。その点は、会って聞き質すのが一番だった。しかし、会う時には、敦美は服を身につけていないような気がした。

敦美に“家を出てしまえ”とアドバイスしたのは、誰あろう、俺だった。アドバイスをした以上、そのアドバイス通りに行動した人間に対して、忠告者として協力する義務は、それなりにあるだろう。

仮に、その協力に、何らかのリスクがあると思われても、そこは、目を瞑るのが筋かもしれなかった。まして、あの肉体がご褒美でついてくるのであれば、悪い取引とは言えなかった。

敦美と云う女を全面的に信じるには、材料が不足していた。生で敦美の望みに応じるのは危険だった。

……そうか、シティーホテルだとすると、アダルトグッズの自販機はないのだから、俺のどこかを使わざるを得ない。指だけで済めばいいが、それで満足するとも思えない。そうなると、アソコを使うこともありそうだ。コンドームも用意しないと……

男の方が、やりたがるのが一般的だが、なぜか、敦美と俺の関係はまるで逆さまだった。それもこれも、敦美のシャブ中が原因だった。

本人の意図によるものではなかったが、結果的に、敦美自身はシャブ中になっていた。俺が持っていたシャブ中患者への印象は酷く悪いものだったので、当然、敦美への対応は冷たいものだった。

ただ、敦美がシャブによって、覚醒状態になっていたお陰で、俺の冷たい仕打ちが、記憶から消えている点が救いといえば救いだった。

つづく



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鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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