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終着駅388


第388章

「うわっ!姉さん、こっちにもツーショットがあるよ。これ、五枚目だよ、どうなっているんだろう?」有紀が、問題の袋の中身を探索しながら、素っ頓狂な声を出し、指先に挟んだ写真をひらひらさせた。

「全部で5人ね。佳代子さんの顔からすると、同じ年齢くらいの時の写真だよね」私は、写っている佳代子さんの顔に神経を集中していた。

「そうね同じ時代に撮ったものばかりっぽい。しかし、良い乳房してるよ、オッパイモデルになれそう。多分、この時って、もう五十歳近いんじゃないのかな?」

「そうだね。40後半なのはたしかだけど。でも、この写真って何なんだろう?」

「記念じゃないの?浮気の記念写真、それだけじゃないのかな?」

「そんなもの、普通撮らないでしょう。誰にも自慢できるものじゃないし、それに不倫の証拠写真を撮るのって変だよ」

「そうかな。一回こっきりの男だから、記念写真撮ったとも考えられるけど」

「たいして、自慢できそうな男たちじゃない感じだけど……」

「たしかに、魅力的なのはいないね。うちの劇団だったら、まず、面接で落ちるタイプ。イイ男でもないし、個性的でもないし、ブサイクでもない」

「そう、そんな男たちと自慢にもならない記念写真撮るかな」

「でも、彼女の表情は、いま、抱かれたばかりですって顔してるからね。そして、彼女が写真を持っているってことは、ネガがどこかにあるってことよね……」

「あぁネガか。まだ、デジカメ時代じゃないってことね?」

「そうだと思うよ。日時の印字はないけど、これはデジカメの写真じゃないもの」

「ネガもあったのかしら。それと、これって、写真屋にプリントアウトして貰わなければならないわけでしょう」

「だね。勇気あるねけど、男に写真屋に行かせたのかな?」

「有紀がさっき言ったように、この男たちは、一回こっきりの浮気相手なんだと思うわ。だから、写真屋に行ったのは、彼女自身の可能性が高いわ」

「まあ、あれか、見知らぬ街まで足を延ばして、適当な店に入る手はあるよね。特別、ワイセツな部分が写っているわけじゃないから、黙ってプリントアウトしただろうしね」

「でも、どうして、こんなものを化粧台の中にしまっておくの。その意味が、あまりにも謎じゃない?」

「謎じゃないかも。意識的に、人の目に触れることを望んでいたとも考えられるよ。彼女の場合なら、旦那さんにね」

「そうね、その解釈はあるけど、竹村って、女房のものだからと言って、引き出し開けるような人じゃないことは、佳代子さん自身が、知っていたと思うんだけど……」

私は、佳代子さんが、この写真を撮った時期と、私と竹村の関係を知った時期と重なることに確信を持った。

そうだったのか。やはり、佳代子さんは、私と竹村の関係に気づいていたんだ。

「なに黙り込んでいるの?姉さん、少し変だよ」

私は、危惧している問題を、有紀に順序立てて、説明した。

「それは、考え過ぎだと思う。竹村さんの浮気が、姉さんが最初で最後だったのなら、不倫相手が、姉さんだったと言えるけど、私の知る限り、そう云う人ではなかったでしょう?」

「それはそうだけど。亡くなったのが、五十歳の前半だったからね。それよりも5年ほど若い時期って、竹村の相手が私だった可能性はあるの……」

「姉さんとの関係の前後ってこともあるし、もしかすると、同時に他の女性ともって事もあるんじゃないの?」

「まあ、考えたくはないけど、そう云うこともゼロじゃないけどね……」

私は、竹村が、他の女の人のバギナを貫いたペニスで、翌日、私のバギナを貫いたのか、そう考えるとやるせない気持ちになった。

「これって、考えても、どうにもならないし、仮に答えが出ても、今さら、元に戻せる話じゃないのだから、こう云うこと考えることが無駄よ。無駄なことは、考えないのが滝沢涼さんでしょう。私だったら分るけど」

「そうよね。今さら、佳代子さんを苦しめた女であったとしても、財産はお返ししますって相手がいないんだから、どうにもならないことなのにね。私、最近、どうかしているのよ」

「それは、当然なんだと思う。無謀な出産の試みと、白血病の治療が待っているのだから、平常心で居ることの方が変なんだよ。少し、考えや感じることが違ってくるのは、人間だって証拠だよ」

有紀が、私を強く抱きしめた。私は、有紀に抱かれながら、涙を流した。その涙が、どんな涙なのか判らずに、とめどなく涙は流れた。

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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