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あぶない女 40


ーご挨拶ー

いつもご愛読頂き、心から感謝いたしております。
この度、思い切って楽天koboから 『結衣との関係』を出版させていただきました。ブログで一時連載掲載していた同作品を大幅に加筆修正の上、出稿しました。
初出版のご祝儀?
そんな優しいお気持ちの読者さまがいらっしゃるかどうか分らないのですけど、チョッとだけ、本の宣伝させていただいてます。
以下の表紙画像をクリックして頂ければ、鮎川かりんの本の販売ページが、別ページで開きます。
*成人指定にしてありますので、18歳以上と聞かれる場合はイエスでお願いします。

鮎川かりん

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第40章

日本橋のOホテルは初めてだった。三越本店を抜け、三井本店の前で車を停めて、頭上に聳えたつタワービルを、サンルーフ越しに見上げた。

昭和4年に再建された新古典主義様式の三井本店は、近代建築が好き勝手に高層化している周辺をせせら笑うような重厚な外観を誇っていた。

しかし、皮肉にも、その敷地内に三井タワーは建っていた。新古典主義様式の本店ビルと超高層のタワービルは、奇妙なバランスの景観を作り上げ、異様な雰囲気を示していた。

敦美が指定したOホテルは、そのタワービルの上階に入っていた。初めての大きな建物の駐車場を探す時は、常に、気が重かったが、“OホテルP”の洒落た標識が目に入った。

本店を通過して左、左と回り込むと、タワービルとOホテルの玄関に辿りついた。敦美から知らされていた客室番号を告げ、ポーターに車を預けた。半券のようなレシートを渡されたので、バレーパーキングと云うものを初めて体験した。

ホテルの、まあ勝手口のような所から入ったわけだから、高級ホテルのエントランスに圧倒されることもなく、専用のEVに乗り込んだ。

案の定、敦美はバスローブを羽織って、ドアロックを外した。

三十分くらいで着くので、ドアを四回したらノックしたら、開けてくれと伝えておいた。その間を狙って、敦美は、あらためて熱いシャワー浴びたようだ。おくれ毛が、まだ濡れていた。

敦美は躊躇うことなく、俺に抱きついてきた。想定内の行動だったので、慌てることはなかったが、シャブに変る依存薬として、俺が代用品にされたのでは、話はグチャグチャになるだけだった。

かと言って、無碍に突き放すのも賢明ではなかった。一定の範囲で、敦美の興奮を和らげないことには、話すと云う雰囲気にすらならないのも判っていた。

敦美の湯上りの火照った身体を抱きしめ、キングサイズのベッドに雪崩れ込んだ。

一瞬にして、敦美の女体を包んでいたバスローブははだけ、たわわな乳房も、程よいウェストのくびれも、わずかな下腹と急坂のような恥丘の盛りあがりも、みごとだった。

そして、薄墨を刷いたような陰毛のあいだから、肌の色と変わらない陰裂が顔を出していた。

既に、その陰裂の隙間から、淫水が滲み出ていた。陰裂から愛液が滲み出ているということは、膣内はおびただしい陰液に満たされていることを暗示していた。

敦美の女体の状況をたしかめた俺は、シミュレーションに従って行動を開始した。

つづく

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あぶない女 39


第39章

メールの意味を敦美が理解出来るかどうか、自信はなかったが、ここから先は、その能力を信じるしかなかった。

幾分、誠実さを欠いた妥協という部分は残ったが、ほぼ他人に近い人間としての誠実さの限界だろう。これ以上、俺に何が出来るというのだ……。

目が覚めたのは、昼近かった。

俺は慌ててパソコンを開いた。どこか、後ろめたさを抱えた俺の目に、はじけた文面のメールが飛び込んできた。

“ヤッホー!家出してきたよ。今、日本橋のホテルにチェックインしたよ。三日連泊で部屋が取れたので、ゆっくりのんびり。明日、会うのもこの部屋にしよう。キングサイズのベッドもあるし、景色も最高!”

敦美のメールは相当軽薄なものだったが、俺の重苦しい気分を解消してくれた。

“キングサイズ”のベッドという言葉が書き込まれている以上、そのベッドの上で性的な行為をしようという含みがあるのだろう。しかし、俺のどこかで、危険を知らせる警報が鳴っていた。

敦美の固太りな肉体には、男を魅了するものがあった。無論、シャブ中毒症状が現れている女でなければ、あの場で、文句なしに、かぶりついていただろう。

しかし、敦美が薬を飲むのをやめたよ、と知らせてきたメールが真実だと云う証明はなかった。シャブ中の度合いにもよるのだろうが、仮に、強い意志があったとしても、そう簡単にシャブの摂取から遠ざかれるものなのだろうか。

シャブ中の女と、男女の関係になった場合、俺にどのような危険が及ぶのか、そこがハッキリはしなかったが、警報機が鳴ったということは、危険の累が及ぶぞ、ということなのだろう。

敦美が、今回の家出の実行に、どのくらいの決意で臨んだのか、今ひとつ、ピンと来ない部分があった。その点は、会って聞き質すのが一番だった。しかし、会う時には、敦美は服を身につけていないような気がした。

敦美に“家を出てしまえ”とアドバイスしたのは、誰あろう、俺だった。アドバイスをした以上、そのアドバイス通りに行動した人間に対して、忠告者として協力する義務は、それなりにあるだろう。

仮に、その協力に、何らかのリスクがあると思われても、そこは、目を瞑るのが筋かもしれなかった。まして、あの肉体がご褒美でついてくるのであれば、悪い取引とは言えなかった。

敦美と云う女を全面的に信じるには、材料が不足していた。生で敦美の望みに応じるのは危険だった。

……そうか、シティーホテルだとすると、アダルトグッズの自販機はないのだから、俺のどこかを使わざるを得ない。指だけで済めばいいが、それで満足するとも思えない。そうなると、アソコを使うこともありそうだ。コンドームも用意しないと……

男の方が、やりたがるのが一般的だが、なぜか、敦美と俺の関係はまるで逆さまだった。それもこれも、敦美のシャブ中が原因だった。

本人の意図によるものではなかったが、結果的に、敦美自身はシャブ中になっていた。俺が持っていたシャブ中患者への印象は酷く悪いものだったので、当然、敦美への対応は冷たいものだった。

ただ、敦美がシャブによって、覚醒状態になっていたお陰で、俺の冷たい仕打ちが、記憶から消えている点が救いといえば救いだった。

つづく



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あぶない女 38


第38章

“明後日ですね。分かりました。今にでも逃げ出したい気持ちですけど、我慢します。もう、薬は飲んでいません。だから、少し鬱っぽくなっていますけど、嫌いにならないで下さい。ちなみに、アイツには、させていません”

敦美という女は、いつ寝ているのか頭をひねる速さで返事を返してきた。書き順は支離滅裂だが、言おうとしている要点は伝わるメールだった。

こうなると、敦美の、手の平を返したような態度が気になった。

悪事を企んでいる旦那の側は、注意深いに違いないのだから、今まで通り、やせ薬を飲み、欲情した女でいる方が安全だった。

しかし、薬を続けて飲めと注意するのも奇妙だった。

出来ることなら、薬で欲情した女房を演じ切れと言いたいところだが、それを伝えることで、こちらへの信頼感が、揺らぐリスクがあった。

しかし、何も注意せずに、旦那に早々に気づかれるのも、無責任過ぎる気がした。

この際、どのような注意が適切なものか、酷く迷った。

急に生理不順になったとか、作り話をするのが良いのか。風邪をひいて具合が悪いとか、そのほうがマシな言い訳なのか、かなり迷った。

しかし、鬱な状況に至っている敦美に、上手に嘘を言って、演技しろとアドバイスすること自体、無謀な賭けだった。

“もし、可能であればだけど、明日中に、そこからの逃げ出す手はあると思うよ。
有り金もって逃げ出すことが可能なら、それが一番安全かもしれない。
思い出のある物を持てるだけ持って、先ずは逃げ出すのも、一つの手だよ。
俺の予感だから、たしかではないけれど、君の演技だと、直ぐに旦那さんにバレル危険があると思うんだよね。
金さえあれば、物は幾らでも、後から買えるわけだしね。
どこでもいいから、ホテルにチェックインするのが安全策かも”

敦美に、意味が通じるかどうか判らなかったが、俺はメールを送信した。あとは、野となれ山となれ、幾分誠実さには欠けているかもと思いながら、睡魔に襲われた。

つづく

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あぶない女 37


第37章

かなりの長文だから、レスポンスは夜が明けてからだろうと、パソコンを閉じて、読みかけの本を開いた。

推理小説のイントロ部分を読みながら、ストーリーの展開が見えていた。読む時間が無駄な小説かもしれないと思いながら、ページをパラパラと捲った。

やはり、名前を聞いたことがない作家の作品はこんなものだろうと落胆しながら、ページを飛ばした。

ある同人誌に頼まれて、”隠れた作家発掘”と云うコーナーと云う連載に紹介する仕事の延長線だった。当然、定価で本を買っていたら、赤字になりかねないので、ブックオフの百円コーナーからつまんでくるのだが、評論に至る作家は滅多に見つからない。

それでは、隠れた作家発掘に穴が開くので、最近では小説家と云うカテゴリーを外してもらって、何とか息をついているが、実のところ、それでも、コーナーを埋める作業は青息吐息だった。

期待薄と思っていた、その女流作家の作品が思わぬ展開を見せはじめた。小説は、ちゃんと読めと主張していた。

こんな感じで、メッセージを発信する作品は、限られている。今回は幸運だった。

どこで展開が変わったのか、変わり方に不自然さはないか、入念にストーリーを追いかけはじめた。

文章は可もなく不可もなし。まあ読むに耐えられるレベルにあった。

後はストーリー次第だった。そのストーリーが目を引いたのだから、今月の隠れた作家の仕事は半ば終わったも同然だった。

十年間電池を取り替えていない掛け時計の針が午前五時を指していた。寝る前に、NYの為替と株の状況を確認しようとパソコンを開くと、メールの着信があった。

敦美からのメールだった。

“優しいメールありがとう、とても嬉しかった。多分、アイツの目的は、父の遺産だと思います。
今のところ、銀行に入っている額は2億円程度ですが、その他に、父が創業した会社の株や住んでいた家等を処分すると、あと4億くらいあるそうです。父の会計士だった人に手続き頼んでいます。
エッチの目的は、殆どない筈です。おそらく、愛人がいる筈です。ただ、あの薬のせいで、私がイヤラシクなることで、偶然でしょうが、見えない綱で縛りつけられる事も出来るのだ、と思っているでしょう。
あなたの質問ですが、無論、答えは1です。
速攻で逃げ出したい気分です。でも、そのために、具体的に、どのようにすればいいのかが分からないだけです。
ぜひ、一日でも早く、アイツから抜け出す手助けして下さい。ほかに頼めそうな人もいないので、よろしくお願いします”

敦美のメールは、まともだった。

細かい部分で注文はあるが、まあ、爆弾女だと思っていた敦美からのメールなのだから、大幅に割り引く必要があった。

俺は早速、返信した。

“そうだね、俺が協力可能なことなら手助けするよ。あまり、頼られ過ぎるのは無理だけど、一定の範囲、君が、最低限一人出来る状況になるまでの、手伝いは可能だと思うよ。夜に会うのは、色んな意味で問題があるだろうから、昼間が良いでしょう。
明日は、用事があるので、明後日、この間と同じ時間に、同じ場所で会いましょう。
もし、都合が悪いようなら、君の都合の良い日時知らせてください”

後のことは、すべて、会った上で決めればよかった。メールで、細かなことを話すのは、行き違いが起きそうな相手だった。

つづく

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あぶない女 36


第36章

先ほど送られてきた敦美のメールを読み直した。
 
“主人が寝たので、ようやくメールが出来ます。あなたの心配は当然だと思いますけど、大丈夫です。父の遺産です。
かなりの額ですから、一生無駄遣い出来ると思います。ただ、このままだと、使い切る前に、殺されてしまうのかもしれません。
ここから逃げ出すのが、一番良いのでしょうけど、超世間知らずなので、どうしたら良いのか、全然わからないの。
私は、どうしたら良いのか、知恵があったら、教えて下さい。お願いします、凄く恐いの”


“なるほど、遺産だったのか、それなら納得出来るね。無駄遣いは、感心しないけど。
あの痩せ薬を飲み続けているとどうなるのかは、わからないけれど、精神に異常が来るのだけは確かでしょう。命にかかわる事はないだろうけど、正常な判断力を失うことはありうる。
ご亭主が、なぜ、敦美さんにシャブ入りのサプリを飲ませたのか、目的は必ずしもハッキリはしないけど、セックス好きにさせようとした。また、貴女の正常な判断力を奪おうとした。たぶん、この2つの一挙両得を狙ったと推測できるよね。
セックスの目的の方は、ご亭主の個人的嗜好の問題だろうけど、後の、貴女の判断能力を奪うと云う目的の方は、お父さんの遺産が関わっている疑いが濃厚。
仮に、数億円の遺産が、自分の妻のものになった男は、その遺産の使い道に関与したくなるんじゃないかな?
場合によると、結婚当初から、そのような事態になることを、想定していたのかもしれない。
そうなると、敦美さんが怖がるような事態が起きることは、半分既成事実のような気がする。
おそらく、貴女を殺すような事はしないと思う。
ご亭主の犯罪が証明されたら、一瞬にして相続人の地位も失うし、人生を棒に振るわけだから、そのような暴力的手段には出ないでしょう。
現時点だけの想定だけど、敦美さんのシャブ依存症が慢性化するのをジッと待つつもりだと思う。
そして、貴女の日常的判断能力が失われるまで、待つのでしょう。
その後、ご亭主は“成年後見制度”を利用して、判断能力を失った妻である敦美さんの「成年後見人」におさまると云う計画が、見えてきます。
では、敦美さんは、その事実、或いは疑念に、どのように対応すべきか、それを考えなければならないよね。
まず、決めておかなければ問題がある。
1、敦美さんは、もうご亭主を愛していないので、速攻、別れても良いと思っている場合。
2、まだ、ご亭主に未練があり、同居していたいと思っている場合。
1、の場合、俺が手助け出来ることは沢山あるけれど、2、の場合、俺が敦美さんを助けることで、出来ることは限られる。
つまり、現在の敦美さんが遭遇している危機は、まず、貴女が、ご亭主と速攻、別れても構わないかどうか、そこに掛かっていると思う。
そして、一人住まいが出来るかどうか、そこに掛かっている。
無論、物理的には、お金さえあれば、東京で一人住まいして、優雅に暮らすことは可能だと思う。ただ、最低限、何年間かは、一人で生きてゆく意志があるかどうか、そこが決め手。
先ずは、俺としては、手助けするとしても、絶対的条件の、「1、敦美さんは、もうご亭主を愛していないので、速攻、別れても良いと思っている場合。」に該当する、そこを聞かせて貰いたい。  以上です。“


俺はそんなメールを書き込み、送信を押した。

自分の女房に覚せい剤入りのサプリを飲ませるような相手なのだから、同居を継続しながら、その危険から身を守ると云う事は、一般的にあり得ない。先ずは、物理的に、その危険から逃れるのが先決だった。

つづく

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あぶない女 35


第35章

敦美から返信が来たのは、午前2時を過ぎていた。敦美のメールは、そろそろ寝ようかという時間に着信することが多かったので、特に、驚きはなかった。

“主人が寝たので、ようやくメールが出来ます。あなたの心配は当然だと思いますけど、大丈夫です。父の遺産です。かなりの額ですから、一生無駄遣い出来ると思います。ただ、このままだと、使い切る前に、殺されてしまうのかもしれません。ここから逃げ出すのが、一番良いのでしょうけど、超世間知らずなので、どうしたら良いのか、全然わからないの。私は、どうしたら良いのか、知恵があったら、教えて下さい。お願いします、凄く恐いの”

文面に、ラリッている部分は見られなかった。痩せ薬を飲んだフリをして、捨てているのだろうか。

だとしたら、軽いか重いか別にして、禁断症状らしきものが出ているはずだが、その感じも、文面からは読み取れない。

いずれにしても、自分が危機的状況にいると気づいたことは良い傾向だった。俺の一番の疑問にたいしても、一番納得出来る“遺産”だと答えている。

まだ、敦美は、“シャブ中”と云う水準に達していないのかもしれなかった。

ただ、シャブが含まれている痩せ薬を飲むことで、あのような爆弾女に変貌するだろうか。その辺は、今ひとつ、ハッキリしなかった。

痩せ薬でラリッている時の敦美、薬を飲まずに苛立っている時の敦美。そのどちらも、本当の彼女の姿ではないだろう。

どちらの女と話しをするのが適切なのか、そこが問題だった。

薬を飲んでいない時の敦美は知らないが、陰鬱で、苛立ちを抱え、不機嫌になっているに違いなかった。

薬を飲んでいる敦美は、敦美のすべてが、オ×ンコに凝縮されて、躁状態で明るく勇気がある。

状況から言うなら、後者の方が前向きな行動を促すには好条件だ。

しかし、その場合は、敦美の尽きることない性欲を鎮静化する労力を惜しみなく提供しないと、目的にまで到達できないだろう。

しかし、とりつく島もないよりは、遥かにマシな選択だった。

十二分に性欲を満たした敦美は、躁と鬱の中間あたりに居るのだろうが、鬱状態に入る前の一時間くらいは、真っ当な判断力を持っている可能性があった。

俺は、その一時間に掛けることにした。

ただ、そのような状況になる前に、敦美の頭に、幾つかのサゼッションをインプットしておく方が、説得する可能性は高まると考えた。

相当長い文面になりそうだが、俺は腹を決めて、敦美に長文のメールを送ることにした。

つづく

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あぶない女 34


第34章

敦美から、その夜、メールは入らなかった。こちらから、催促すべき内容のメールではないので、待つ以外に手はなかった。

腹を立てる内容ではない。

家庭の事情でメールを書けなくなったか、自分なりに考えている最中なのだろう。

思い返すと、敦美という女の正体で、知っていることは、亭主がいることと、シャブ中毒になっていることだけで、それ以外の彼女の境遇を、何ひとつ知らなかった。

専業主婦なのか、子供がいるのかも知らないのだ。

その敦美という女のオ×ンコに、黒く野太い電動バイブを突っ込んだのは、誰あろう、俺だった。

都会とネット社会がセットになれば、こういうものなのだろうか。それにしても、敦美の場合、特別だった。

端から、”ヤロウよ”という言葉が羅列されていた。

逆に考えると、そんな奇妙な言葉を投げかけるだけの相手と、どうして俺は不用意に会ったのか、その根拠さえ曖昧だった。

単純に、助平だったからと指摘されれば、たしかに、決め手のひとつだという事は認める。しかし、それだけで、出あうことに決めたわけではない。

たしか、俺は、あの女を、メールの文章だけで、”イカセタ”。それが、俺の書き手としての自尊心を擽ったからだった。

既にメール・セックスで、旧知の仲になっていると錯覚してしまったのだ。そして、あんなに激しく”イク”女に好奇心を持ったからだったような気がする。

既視感の罠に嵌ったのだ。

実際には、見たことも、見かけたこともない、女と出会い、ホテルで、黒棒を、その女のオ×ンコに突き刺し、かき混ぜた。

逆に言うなら、見知らぬ初めての男に、オマンコを晒し、歓喜の声を上げたのが、敦美だった。

このような経験を重ねてしまうと、男が抱いている、女の秘部への価値観が摩耗していく。

たしかに、多くの経験を通じて、その価値観は下降気味だった。

考えてみれば、女にとって、生まれながらに所有していた肉体の一部に過ぎないのがオ×ンコなのだから、男以上の価値を、そこに見いだして、特別視するとは考えにくい。

しかし、世間は、21世紀になっても、そこにまつわるスキャンダルを、日々の話題にして盛り上がる。

スキャンダルの多くは、金銭の場合もあるが、多くは、ヴァギナとペニスの結合が介在している。

仮に、美しい女と見栄えの良い男の恋愛であっても、そのパーツの結合抜きに、プラトニックなものとして捉えることは稀である。

俺は、そんなことを思い、おそらく、どこか人間の歴史の中で、肉体のパーツに、特別の意味合いを、通念的に刷り込んだという勝手な解釈で折り合いをつけた。

つづく

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あぶない女 33


第33章

“このあいだはゴメンナサイ。また会って欲しいけど、もう無理かな?”

“私なりに、どうして、アイツが薬なんか飲ませる気になったのか、考えてみたの。でも、やっぱり分んなかった”

“やりたいよ!明日も会えないかな?会ってくれたら、10万円あげるんだけど”

俺は、敦美からの3通のメールを読み返してみた。

メールが届いていると気づいた時には、こちらがムカッときていたので、かなり狂っている印象があったが、冷静になってから読み返してみると、それ程、狂ったメールではなかった。

……俺の想像と云うか、妄想が、真実であるかどうか、確認してみる価値はありそうだ。会う、会わないは、それからでも遅くはない。そうだよな……

……何と返事をしようか?……

……誤解を怖れずに書くとしたら、先ずは、敦美が、なぜ金に困っていないか、それを尋ねるべきだ。もし、敦美が金持ちでない限り、そこから先の、俺の想像は頓挫するのだから……

“たった一回のセックスの相手するだけで、男に10万円渡すということだけど、そんな浪費しても、君は大丈夫なの?”

俺の1通目のメールを送信した。

“変事ありがとう。大丈夫だよ!”

早速返事が来たが、短文過ぎて、内容を吟味するメールではなかった。もう少し、誘導尋問的に話しを進める必要がありそうだった。

“俺と会うのは、あと1回だけで良いのかな?もし、何度も会うことになったら、100万や200万、あっという間に消えちゃうけど、それでも大丈夫なの?”

このメールの内容次第で、敦美と云う女の懐具合の確認は可能だと思った。何でもない、大丈夫と云う返事が戻ってきた場合は、女は数百万円を気にしないような金を持っているか、常に、大金を稼ぎだす、何かを持っていることになる。

次のメールも、10分くらいで着信した。

“私さ、見た目よりも金持ちなんだよ。だから、私の相手する限り、アンタも金には苦労しないってことよ。何も、お金にもの言わせて威張る気はないから安心して。この間みたいに、虐めて貰えれば、それで良いの”

……敦美が、相当の金持ちなのは判った。女が自由意志で使える金だろうから、亭主の稼ぎから出てくる金ではないのだろう。

問題は、その金の由来だ。

10億円の強盗の話は、最近、聞いたことがないから、盗んだものではないだろう。

かと言って、あの女が、自力で、それだけの金を稼ぎだしたと云うのも、考えにくい……

“そうなのか、それは凄いね、驚いたよ。でも、そのお金が犯罪絡みだったりすると、俺も、共犯者にされそうだから、不用意に、君の誘いに乗るのは、どうかな?と思うよ”

仮に、犯罪によって得た金であるなら、断るだけだ。

現実に、犯罪で稼いだと云う事実を知らない限り、俺は、善意の第三者で済む。

しかし、知っていると、その分け前を貰うも同然の行為に、手を染めることは出来ない。そう言って、話を、此処までと云う流れで切ってしまう積りだった。

そのメールを送信したところで、敦美からのメールが途絶えた。一時間近く待ってみたが、メールはなかった。

つづく

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あぶない女 32


第32章

俺が、敦美に救いの手を差し伸べる立場でないことは、百も承知していた。

ただ、乗り込んでいるボートが、実は泥で作られている場合、沖に出たら、沈没するのが判っているのに、注意もしないことが許されるものなのだろうか迷った。

俺は、自分でも不思議なくらい、真摯な態度で考えた。

善意の第三者が、他人に危険が迫ってきている状況を知っていながら、ただ無作為に傍観することで、良いのだろうか、無論、罪に問われる問題ではないにしても…。

いや、俺は傍観してはいない。既に、あのホテルで、敦美が覚せい剤の中毒症状があると、断定的に伝えている。

敦美に、正常な判断能力が残っていれば、自分が飲んでいた痩せ薬サプリに、覚せい剤が混入していることを知ったのだから、後は、あの爆弾女の自己責任だった。

“シャブ入り痩せ薬”を飲むも飲まないも、敦美と云う女の、自由選択だった。

旦那と同居していると、覚せい剤から遠のくことが無理であるなら、遺産を抱えて逃げ出せば済むことだった。

遺産のあるなしは、俺の想像に過ぎなので、家を飛び出すだけの経済力を持っていない可能性もあった。

しかし、わずかな時間から得た情報。

初めて会った時、財布に数十万がさり気なく入っていた事実。こんな俺と会うために、10万円を支払うと言った点、この二つの事実から、敦美は、金に困っていないと判断するのは間違いではないだろう。

無論、その金の出所が、遺産なのか、宝くじに当たったものか、働いて貯めたものか、そのどれであるかを知る由はない。ただ、確率的に、親の遺産と目星をつけるのは妥当だ。

しかし、あの爆弾女、敦美が正常な判断能力を持っているなら、逃げると云う行動には、禁断症状に一人で立ち向かう覚悟が必要だった。

自ら始めた覚せい剤でなければ、その苦しみに耐えることは可能かもしれないが、相当の覚悟が必要だ。

いや、無理だろう。事前の覚悟とプランなしに、飛び出しても、シャブ欲しさに、旦那の下に舞い戻ることになる。

あの女が、薬物依存専門病院に行く知識であるとか、NPO社会復帰支援施設DARK(ダルク)などの知識があるだろうか?

まず、無いと考えるべきだ。

あの敦美と云う女の薬物依存度が、どのくらいのレベルに達しているか、まったく判らない。

ただ、炙りや注射で、覚せい剤を体内に取り込んだわけではないので、症状としては軽度である可能性はあった。

覚せい剤を、結果的に摂取してしまっているわけだが、やせ薬ドリンクとして、飲んでいたのが、敦美のケースだ。仮に、大量のアンフェタミンが含まれているドリンクであれば、苦すぎて飲めない筈だ。

“センブリエキス”が入っているから等と言われて納得する場合もあるだろうが、相当に苦い。その上、アンフェタミンは、胃を荒らすので、激しい胃炎も惹き起こす。

そう考えると、敦美の薬物依存が軽度である可能性は高い。

戦争中に危険な任務につく兵隊たちに飲ませた“ヒロポン”のレベルであれば、疲労回復と性感高揚と云う程度の効果は充分にあるだろう。

運がよければ、旦那から逃げ出すだけでこと足りる。

もしも、依存度が強いのであれば、精神科のクリニックに飛び込めば、専門医療機関を紹介してくれるだろう。

そのクリニック、乃至は専門医療機関が、警察に通報する可能性はあるが、覚せい剤又はそのドリンクを持っていない限り、逮捕されることはないだろう。

事情を聞かれて、旦那に勧められたと告白すれば、旦那の方が警察の厄介になることはあり得る。

俺は、ここまで想定した時点で、敦美に、アドバイスのメールを入れてやる気になった。

つづく

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あぶない女 31


第31章

敦美と云う“爆弾女”の境遇が、資産家の一人娘という設定は、酷く俺の好奇心を動かした。

敦美の夫である男も、同じように興味を持ったことは、充分想像出来ることだ。

敦美の亭主と俺の違いは、敦美の遺産を横取りしようと考えているか、守ってやろうかと考えている違いだ。

資産家の一人娘と結婚できる状況が目の前にぶら下がったのだから、相手の敦美に愛情を感じていたかどうか別にして、独身の身であれば、立ちどまり、想定集を頭の中で描いた上で、結婚に踏み切ったのだろう。

まして、現在のような“シャブ中”になっているわけではない敦美なのだから、充分過ぎる女の魅力を持っていた筈だった。

ただ、男の計算に狂いが出た。身から出た錆なのだろうが、初心を忘れて、女房への気配りを欠いた。

生活の慣れと云うものには、初心を忘れる罠が、至るところに埋め込まれている。

おそらく、日常的な態度が悪くなったとか、コソ泥のような浮気でもしたのだろう。

いずれにしても、舐めてかかった敦美と云う女房に、逆に見限られる雰囲気になってきた。

離婚と云う話題は出ないまでも、そうなる空気が夫婦の間に漂った。ここで、夫婦関係が破綻してしまうことは、亭主にとって最悪の結果だった。

夜の生活で、よりを戻そうと試みても、行為自体を拒否されてしまい、万事休すと思われた。

そんな亭主は、女房が、自分から離れられない状況は、どのような場合か、必死で考えたに違いない。

その結果が、女房を“シャブ漬け”にすると云う、馬鹿げているが、彼なりには、絶対的切り札だと、結論づけたのではないのだろうか。

その悪巧みは、おそらく、相続が始まる前から、仕込まれていたのだろう。

敦美が、遺産を相続してからでは、三下り半を何時突きつけられるか判らないわけだから、事前に実行された。

少なくとも、夫の収入で生計を立てている間、つまり、ギリギリのイニシアチブを握っている間が、夫の勝負どころだったに違いない。

そうしなければ、彼は、身の安全と云うか、結婚の目的のすべてを失うのだから、必死だったろう。

敦美の父親が、いつ死ぬか、時期は未定だったろうが、その可能性が徐々に近づいていることを、男も知っていた、と考えるのが一般的だ。

夫婦の関係が、そこそこ、円満であった時期に、その情報は共有されていたのだろう。

つまり、自分の女房を“シャブ漬け”にすることで、相続が開始された後で、敦美が日常的に、正常な判断能力が失われるのを待って、“成年後見制度”を申し立てる予定の決行中、それが、今に思えた。

“成年後見制度”は、裁判所が絡むので、亭主が無職であるなど、裁判所が、素直に“成年後見人”に選任しない場合もあるので、亭主自身にも、忍耐は要求される。

ここまでの事実関係、そして、俺の推理、想像、妄想を推し進めると、敦美の立場は、相当に危機的だった。

つづく

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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人妻のからだ 』(中編)

終着駅 』(長編連載中)

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