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あの男を殺したい奴は沢山いる あぶない女66


第66章

寿美は何気な話をしている素振りをしていたが、どこか必要以上の興味を押し隠している感じに思えた。

だからといって、いま特に、寿美への追求に時間を割くつもりはなかった。

「片山亮介が殺されたって事件のことよね?」寿美は、俺が無言でいることを咎めるように話しを繋いだ。

「知り合いなのかな?」

「そう、私を捨てたトンデモナイ男よ」

「片山亮介ってのが、君の昔の破廉恥な奴だった。そういうことか……」

「そういうこと」寿美は他人事のような話し方をした。

「奇遇な話だね。その殺された男の奥さんが、俺の知り合いだなんて……」

「ほんと、心臓が飛び出るほどびっくりしたわよ」

「なんてことだ。知らないこととはいってもね、殺された男の、昔の恋人と俺はセックスをしていた、そういうことだよね」

「そう、その上、その奥さんとあなたは関係があるのだから、話は複雑よ」

たしかに、そういうことになる。

まさか罠ではないだろうが、ふたりの女を巡って、俺が片山亮介と揉めていた等と誰かが作り話をすれば、重要参考人に格上げされても不思議ではなかった。

「心配になってきたでしょう。もしかして、犯人は、貴方なのかもね?」言葉を失っている俺に、寿美は揶揄うように言葉をかけてきた。

寿美は勝手に、俺と片山亮介の女房である女と、男女の関係だと決めつけた話し方をしたが、敦美と俺の関係を知っている筈がないのに奇妙に思えたが、あえて聞き流すことにした。

片山亮介が殺された時間は何時ころだったのだろうか。たしかニュースでは、そこまでは言っていなかった。

そうか、敦美の話を聞けば、殺された時間のことも判るに違いなかった。

今すぐにでもホテルに飛んで行きたい気分だったが、慌てている素振りを寿美に知られるのは、理由はないが賢明ではないと感じていた。

「あの男を殺したい奴は沢山いるはずよ。警察も容疑者だらけで、目まいを起こすに違いないわよ。その内、死んでも構わない男が殺された事件の捜査が嫌になるんじゃないのかしら、フフフ……」

「俺は、片山亮介って人を知らないのだけど、そんなに酷い男だったということかな?」

「そうね、優しい顔して、暴走族のリーダーだったからね。まあ、だから私はつきあっていたのだけど……」

「俺は彼の奥さんから多少のことは聞かされていたけど、相当の奴のようだね……」

「まあ、いずれ私たちの焼肉屋にも警察が聞き込みに来るに違いないわ。兄たちともつき合いがあるからね、ひと騒動だと思うわ」

「人ごとのような話し方だけど、寿美さんは大丈夫なの?」

「大丈夫よ。私は、父と兄の悪事の犠牲者だから……、でも家族なのよ。その辺が、私の人生の重い部分よね。でも、そういうのって運命でしょう、自分ではどうにもならないことなの……」

寿美は、重い問題を口にしたが、いま、俺はその問題に関与している余裕はなかった。

気づかない鈍感な男を演じるのは辛かったが、今は、敦美の問題に集中すべきだった。

つづく


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浅めの膣道が引き締まり あぶない女65


第65章

俺は怒張に最終決戦総攻撃を命じた。

寿美の浅めの膣道が引き締まり、攻撃を容易にさせない防御的収縮が加えられたが、突き進んだ。

子宮頚に押しつける亀頭の先端は、何物かに噛まれ続けた。

痛みがあったが、それは気の所為に違いないと思った。

女の子宮頚に噛まれて負傷した亀頭などありえないだろうが、それは名誉の負傷に違いなかった。

男の勲章か、俺は馬鹿な気分になりながら、痛みと快感の中で果てた。

寿美も充分に快感を得たらしく、横たわり、軽い寝息をたて始めた。

俺は、まだ弛緩していない勃起の先端に手を当て、出血の有無をたしかめた。少なくとも出血はまぬがれていた。

時間は六時を回ったばかりだった。仮に二度目を求められても、何とか応じられるギリギリの時間だったが、寿美の寝息を見る限り、その心配はなさそうだった。

欲望的には、あの噛みついてきた何物かの正体を知りたいところだったが、それは後々機会があれば程度にとどめ置くものだと自覚していた。

その時携帯が鳴った。

俺はその音は敦美の携帯から発していることを知っていた。

携帯を取り上げ通話にすると耳を当てた。

当然、敦美の携帯なのだから、不用意に俺の声で応答するわけにはいかなかった。

“私、敦美よ、龍彦さんだよね”

「あぁ俺だよ、どうした、解放されたのか」

“一応ね、明日も事情聴取に応じるようにって言われたの、どうしよう?”

「そうか、まあ、応じた方が利巧だろうね、君が殺したわけじゃないのだから」

“わたし、部屋に戻るけど、来てくれるのよね”

「ああ、大丈夫だよ。時間は九時を回るだろうけど、必ず行くよ」

敦美との電話は終わった。

「どうしたの、随分切迫した話の内容みたいね?」寿美が寝ながら聞いてきた。

「聞こえてたか。そう、良く判らないけど、知り合いがトラブルに巻き込まれてね」

「殺されたとか、そんな話だったわよね」

「あぁ、奥さんが家出をした数日後に、ご亭主が殺されてしまったんだよ」

「もしかして、今日殺されたってニュースで話していた殺人事件のことかしら?」

つづく

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子宮頚に密着している亀頭 あぶない女64


第64章

寿美の口中に蛆虫が棲んでいるとは思わなかったが、あの奇妙な感覚の正体を知る誘惑には抗えなかった。

舌を挿しいれた瞬間、特別な刺激が襲ってくることはなかった。ごく普通の唾液で、幾分ビールの臭いがする程度だった。

安堵と落胆が綯い交ぜな気分だったが、安堵の方が強かった。

俺の頭の中には、ホテルで敦美からの連絡を待つと云う約束の時間がどっかりと座っていた。寿美には時間が充分なようだが、俺の時間には制限があった。

ペニスは充分に勃起していた。寿美自身が勃起させたわけだから、それが、寿美の中心に埋もれたからといって怒りだすとも思えなかった。

勃起を意識的に押しつけながら、口の中では、寿美と俺の舌が探り合うような攻防戦を繰り広げていた。

成りゆきに抗議されるようなら、今日はここで身体を離れる腹で、寿美のヴァギナの中心に指を仕向けた。

寿美は何も言わずに俺の指を受け入れた。

指に触れてくる寿美の粘液に、特別の違和感はなかった。寿美の粘液が、俺の勃起に魂を注入した。

怒張には至っていないが、十二分な硬度を保っていた。俺は有無を言わさず口中の攻防を休むことなく寿美に挿入した。

寿美の舌の動きが一瞬止まった。俺も口中のせめぎ合いを小休止して、寿美のヴァギナの中に挿入した勃起の魂に、自分の意識も集中させた。おそらく、寿美も同じような手順を踏んで、ヴァギナに意識を振り向けたのに違いなかった。

唇が離された。動きが自由になった俺の勃起は、徐々に怒張に向かっていきり立って行った。

寿美は、何も口にせず、ヴァギナと勃起の攻防に、自らの意識も集中しているようだった。

ヴァギナに挿し込んだペニスの先で水先案内をしている亀頭部から、違和感があると云うメッセージはなかった。特別、あの寿美の口中に棲んでいた蛆虫的感触も消えていた。

比較的たおやかな寿美のヴァギナだったが、亀頭が水先案内人からコマンダーに変身する頃には、攻撃に素早く反応して、コマンダーのそれ以上の侵入を阻むように、強く、その怒張を攻撃してきた。

俺はもう、これは通常の交接と変わらないと安堵した。俺の安堵は、勃起にも伝達され、安堵に変って豹変した亀頭部が、全面攻撃態勢に向け、怒張に更なる怒張を重ねた。

完全に自分のペースだと安心した時、おそらく子宮頚に密着している亀頭の先に痛みを感じた。たしかに、痛みのようだったと言うべきかもしれない、不確かな痛みだった。

特に寿美に表情の変化はなかった。交接による快感を、自分なりに咀嚼し感受しようとしている姿だった。

特に反撃の為に、挿し込まれた亀頭の先端を噛むような行為をする攻撃性を見ることは出来なかった。

寿美は声を出さなかった。俺の二の腕に喰い込ませた指先の強弱が、快感の状況を知らせていた。

「出しても大丈夫かな?」

「大丈夫、とことん出して」寿美の指先に力がこもった。

つづく

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蛆虫を口中に飼っている女 あぶない女63


第63章

勃起形が一応完成した。

そしてはじめて、寿美は、それを口に咥えた。特に何をするわけでもない寿美の口中のなかに埋没した勃起は物足りなさを感じていた。

しかし、その物足りなさが間違いだと云うことを、直ぐに思い知らされた。動かぬ口のなかに、多くの虫が棲んでいるような感覚を感じはじめた。

巧妙な舌の動きによるものだろうと思ったが、必ずしも、寿美が舌を縦横に動かしている形跡はなかった。

やはり、口に含んでいる他の生き物が蠢いて亀頭部を舐めまわしているようだった。

まさか、そんなことはあり得ない。蛆虫を口中に飼っている女というのはおぞましかった。

身の毛がよだつ想像だが、ここで慌てて飛びあがるわけにはいかなかった。寿美が、自分の口の中に飼っている蛆虫たちに餌として、俺の亀頭が吸い込まれた図は、おどろおどろしいものだったが、いまさら小心に腰を引くわけにもいかなかった。

「驚かないの?」寿美が、蛆虫らの攻撃を小休止させるように唇をあげ、俺を覗き込んだ。

「驚いてるよ。あなたの口の中には何匹の虫が飼われているのかと思ったさ。でも、ここでビビったのでは男が廃る、そんな感じだよ」

「偉いのね。男の意地の為なら、虫に食べられても構わないってことね?」

「いや、流石に噛まれたら逃げ出すつもりだったけどね、今のところ這いずり回られているだけだからね。何とか耐えられる範囲かな」

「気持ち良くはないの?」

「慣れたら、絶対に気持ちいいだろうね。ただ、初めての体験と云う時点では、愉しんでいる余裕がないってことかな」

「正直なのね。私の口の中に蛆虫なんか棲んでいないわよ。私は何ひとつ努力はしていない現象なのよ。だから、テクニックでもなんでもないの……」

「寿美さんの口の中、いや、唾液に独特の刺激があるとでもいうことかな?」

「おそらく、そうだと思うの。まだ貴方とわたしキスしてないわよね。多分、キスすると、少し理解出来るかもしれないわ」

寿美の顔が近づいてきた。生まれつき、唾液に毒物が含まれている人間がいる筈もないのだから怖れることはなかった。しかし、唇にふれ、舌に触れる瞬間、心臓は高鳴った。

しかし、ここで逃げ出す行為は、寿美を充分に傷つけるに違いなかった。まさか死に至ると云うこともないだろうと、俺は思い切って舌を挿しいれた。

つづく

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過呼吸な息づかい あぶない女62


第62章

寿美のリンパマッサージは徹底していた。両脚のマッサージが終わると、腹部から上半身、脇、首筋と全身のマッサージに渡った。

寿美は話し続けていた。

俺は、その昔話を子守歌にしてまどろんでいた。いや、まどろみ以上の眠りに就いていたのかもしれなかった。

たしか、寿美と結婚を前提につき合っていた男が、突然、別れ話を持ちだした。

そして、結婚は政略結婚のようなものだから、寿美を捨てるわけではない、今まで通り関係を続けたいと、とんでもないことを言い出した。

寿美は、そんな都合の良い女になる気はないので、頬っぺた引っ叩いて別れてやった。

その辺までは聞いていたが、寿美がどう云う目的で、そんな昔ばなしを始めたのか、不思議に思いながら寝てしまったようだ。

特に、俺の意見が欲しくて話している雰囲気もなかったのだから、寿美自身が自分の考えを纏めるための会話ということだと思った。

リンパマッサージの行程が終わった。俺の出番なのだろうと上半身を起こすと、寿美に押し戻された。

漸くと言うべきか、寿美の指がペニスを摘まみ上げた。意志を失っている肉片は心許ない姿で寿美の指の中にあった。

勃起した時に、その肉片は、命の息吹でも吹きこまれたように力みかえる。持ち主である自分の意志とは別人格で、凶悪な姿で動き回る。

身勝手な言い方をしていると聞こえるだろうが、まさしく、勃起した時の股間の肉片は、別なる生き物で、且つ別なる人格さえ備えているように感じるものだった。

俺と云う人格が、相手が疲労困憊しているのだから、そろそろ休息を取るべきだと思っているのに、その硬直して怒りに満ちた勃起は、俺の意志を無視して、女陰に向かって突き進んでいく。

そして女は、自分の快感を超えた、苦痛に満ちた奇妙な快感の世界でのたうち回り、我を忘れる。

そのような快感を強制しているのは、俺ではなかった。勃起の限界超え、痛みを伴う麻痺症状に至った海綿体と亀頭部は、狂気に包まれていた。

女が嬌声を発する余裕を失い、過呼吸な息づかいになっても、容赦する動きを見せない異様さを見せる。

これは、どう考えても、俺の考えているセックスではなかった。俺の考えているセックスを乗り越え、俺のペニスを乗っ取った意志ある生き物の仕業に相違なかった。

怒張という言葉があるが、その通りなのだろう。ペニスの勃起が、怒張に変った時、ペニスは、その持ち主の肉体から遊離して、別なる生き物として行動している。

そんなことを考えながら、俺のペニスは勃起に向かって動きだした。

「ああ変ってきたわ。この瞬間が、わたし好きなの……」

寿美は探究者のように、俺のペニスの変化を見つめていた。見事だと思ったのは、勃起の変化に躊躇いが生じないように、間歇的な刺激を亀頭部周辺に与えていた。

そのリズムは、単調なものではなく、複雑な旋律とリズムを刻み、一時の緩みもなく、完璧な勃起状態のペニスを作り上げていた。

口にこそ出さなかったが、寿美のペニスへの愛撫は、フェラチオをするといった単純で乱暴なものではなく、金糸銀糸を織り交ぜながら、優雅な西陣織を完成させていく職人のような技に思えた。

つづく

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寿美の指は湿っていた あぶない女61


第61章

「目を閉じて、眠れる美女のように気持ちになって」

「目を閉じることは出来るけど、美女にはなれそうもないけど、すべてお任せします」

俺は、目を閉じ、何が始まるのか、かなり精神的に緊張を強いられた。当然のことだが、俺の男が急速にオスになることはなかった。

「歳の割には肌が綺麗ね」

寿美は、胸から腹部の辺りに指を這わせて、つぶやいた。

特に答えなければならない呟きではないのだからだから、言葉は返さなかった。

寿美の指は湿っていた。

風呂上りの所為か、欲情している所為なのか、そもそも湿っぽいのか、判断はつかなかった。

呟くこともなくなった寿美の指が下腹部から恥骨の辺りに下がってきた。いよいよ股間の検査に突入かと身構えた。

しかし、期待は裏切られた。太腿から足首の間を何気に擦っていた指に幾分力が込められた。

右の足首に指を当て、揉みはじめた。軽い痛みと心地よさが交互に訪れた。

暫くして、そこがリンパであることを悟った。

相当前になるが、一流のマッサージ師の施術を受けた時、そこを入念に揉まれた記憶が甦った。

わずかな感覚だから、明確にわかるものではなかったが、足首から脹脛にかけて軽くなった感覚があった。

「まだ、フニャフニャね」唐突に寿美が、また呟いた。

「申し訳ない」今度はひと言つぶやいた。

「いいのよ、ゆっくり時間をかけてね」俺は、その言葉に目を閉じた。

足首を解放した寿美の指と腕は、リンパマッサージ師と同様の動きで、足首から脹脛にかけて、適度な強さで擦りあげる行為を繰り返した。

リンパマッサージの真似事をしているレベルではなかった。あきらかに、本格的な施術な行為で、マッサージ師と変わらないことに気づいた。

「私ね、鍼灸の資格があるのよ」寿美は、ひざ裏のリンパを揉みながら、過去を思い出すように話した。

「どうりで、本格的だと思ったよ」

「その頃はまだ堅気な仕事をしていて、結婚の約束までした男がいたのよ」寿美の思いで話に、どのように応じていいのか迷った。

「そうなのか……」

「話さなくて良いの。黙って聞いてて……」

寿美の指が鼠蹊部のリンパに当てられた。

一瞬ドキリとしたが、その指は、あくまでリンパマッサージの一環に過ぎなかった。

寿美の指の動きに合わせてペニスが揺れ動いていたが、勃起の反応はなかった。

その無反応を寿美がどのように受けとめているのか、知る由もなかった。

つづく

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全裸になって あぶない女60


第60章

寿美が先に宿に到着していた。

「お風呂お先したわ、あなたもお入りになったら」寿美はスリムな肉体を宿の浴衣につつんで、既にビールを一本空けて二本目の栓を開けているところだった。

「かなりご機嫌だけど、何か良いことでもあったのかな」

寿美が身体を許す気で酔っているのか、酔いつぶれて肉体関係を阻もうとしているのか、俺には判断がつかなかった。

しかし、先日からの関係性において、ふたりの間には寿美がイニシアチブを握っていたので、俺の意志はどうでも良いのだろうと、腹を決めていた。

案外経験してみると、女の側に主導権を握らせた関係も悪くはないと思った。

俺が今日ここに来たのは、寿美に先日の1万円を返すことであって、肉体関係が成就することを目的にしていないと云う言い訳は、充分に俺の気持ちを和らげた。

俺は檜の湯船につかりながら、しかし、と思った。あまりの長湯をすると、待ちくたびれて女が帰ってしまうとか、酔いつぶれてしまうのではと、身体を洗うのも早々に浴室を出た。

「あら早いのね。チャンと身体は洗ったの」

言葉とは裏腹に、寿美は、そんなことはどうでも良いけれど、と云うニアンスを漂わせていた。

寿美はよどみなく、新しいグラスにビールを注いだ。俺は黙って一気にグラスを飲み干し、自ら二杯目をグラスに注いだ。

「今日は時間があるから、しっかり飲めるわ。お店のある日は、落ち着かないものね」

「今日、お店は休みってことかな」

「えぇ、お店はやっているけど、私はお休み宣言してきたの」

「たまには、休まないと身体も心も持たないからね」

「そうでもないのよ。年中無休で働いていると、休みって、どのように過ごしたらいいのか判らなくて、逆に疲れてしまうのよ。だから、滅多に休むことはないの」
 
「まさか、俺の為に休みを取ったなんて言わないでよ」

「あら、どうして。男冥利だとは思わないわけ」

「いや、それほど自惚れは強くないからね。中の下くらいのランクの男だと自認しているからさ、糠喜びはしないんだよ」

「あら、可愛くないわね。有頂天にして、落っことす面白味がなくなるわよ」

「そうか、寿美さんは、そうやって男を甚振ることを愉しみにしてきたのか」

「そういうことはないわね。私、雰囲気のわりに男経験は少ないのよ」

「そういうものかもね。あまりにも良い女だし、雰囲気も周りを威圧しているからね」

「あら、私、威圧的なの」

「そうだね、普通の男ならビビる女かな」

「貴方はビビらないの」

「どうかな、目的意識が乏しいし、奇妙な二人の関係のイニシアチブを、貴女にお渡しした気分だからかな」

「そうなのね。だったら良いわ、私が貴方の身体を甚振る関係で良いわけね」

「あぁ、そういう関係も悪くないと気づいたからね」

「そう、だったら早速だけど、裸になって、ここに寝て貰えるかしら」

話の成り行きから、断れなくなった俺は、全裸になって天井に目をやった。

つづく

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電話が鳴った あぶない女59


第59章

その時、電話が鳴った。

 俺と敦美のどちらの携帯が鳴ったのか判別つかなかった。俺の電話なら、出る気はさらさらないが、敦美の携帯が鳴ったのであれば、出ないわけにはいかなかった。

敦美の携帯だった。

やはり、殺された片山亮介は敦美の夫だった。

遺体確認は直ぐに終わったが、事情聴取に時間がかかっていた。敦美が家を出てOホテルに滞在している事情を厳しく質された。

夫婦仲が悪くなり、別れるつもりで家出をしたとまでは説明したが、なぜ、昨日家を出たのか、その理由を厳しく聞かれたようだった。

特に昨日である必要はなかったが、たまたまその日になったと敦美は主張したが、信じている様子はなかったとのことだった。

まだ事情聴取のようなものがあるらしいので、ホテルに何時に戻れるか判らないけど、居て欲しいと云うのが敦美の願いだった。

厄介な事件に巻き込まれそうだったが、敦美を放り出すわけにもいかない俺は、夜九時以降はホテルの部屋にいることを約束した。

そして、何かあったら、敦美の携帯を鳴らすように伝えた。

おそらく、調べが進めば、敦美のアリバイを証明するために、俺が引き摺りだされるのは必然だった。

それにしても、俺が敦美のアリバイを証明出来る時間は限定的だった。たしか、昨日の午後1時から6時まで、敦美がOホテルにいたことは証明できる。

しかし、その前後の時間、敦美がホテルの部屋に在室していたか証明はできなかった。

ポイントは、夫である片山亮介が、昨日の何時に殺されたかで、敦美の立場は劇的に変りそうだった。

しかし、仮に敦美のアリバイが証明できないからと言って、敦美を犯人とすることは、殆どないのではないのだろうか。

財産目当てであれば、逆に敦美が殺されているべきで、夫の片山亮介が殺されるのは逆転現象だった。

敢えて、敦美の犯行だと決めつけるには、夫婦げんかの末の犯行と云う構図だろうが、毒殺などの方法でない限り、女の犯行だと決定する要素は乏しいに違いなかった。

ということは、ねちっこく、根掘り葉掘りと事情は聞かれるだろうが、敦美を、そのまま拘留するような暴挙には出ないと考えられた。

檜の匂いが薄く感じられたが、気分の所為だと思った。果たして、このような状況で、寿美と身体を重ねて、充分な勃起が得られるか、幾分不安だった。

敦美が、夫の片山亮介を殺害する動機は、殆どなかった。

まあ、自分を覚醒剤漬けにしようとしたので腹を立てたと云う筋書きもないわけではないが、あまりに感情的過ぎた。

財産目当てと云う筋書きでも、片山亮介が敦美を殺したのであれば筋が通るが、逆さまはあまり捜査の対象にはなり難い。

仮に、片山亮介に多額の生命保険などが掛けられていたとしても、敦美の財産と比べれば、たいした額にはならない筈だった。

ただ、敦美が、俺にすべてを打ちあけていない可能性はあった。

夫が、シャブ漬けで財産を掠め取ろうとした行為に、激高していたことは考えられた。単に、俺には、そのような態度を見せなかっただけかもしれなかった。

つづく

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先日の旅籠で あぶない女58


第58章

寿美は間髪を入れず応答した。さも、誰かの電話を待っていたのではないかと思うほど早かった。

まさか、俺からの電話が来ることを待っていたわけではないのだろうが、機嫌のいい声音だった。

先日の1万円を返したい旨を伝えると、あっさり、先日の旅籠で会いましょうと提案してきた。

寿美を誘う算段を色々想定していたが、あっさりと寿美によって打ち砕かれた。2戦2敗した気分で電話を切った。

どこか吸いとり紙のような寿美と云う女に怖れを感じたが、逃げ出す気はなかった。いずれの日にか、寿美を屈服させる情景を描いてみたが、具体的な映像は浮かんでこなかった。

寿美が魔性の女であるかどうか、今日たしかめられるとは思わなかったが、少なくとも、男女の関係にはなれそうな気がした。

何故と聞かれても、斯く斯く然々という理由はない。ただ、二度目の逢瀬を迎えて、男と女にならなかった事がないからと云う、経験則によるものだった。

敦美の身に何かが起きたことは気になったが、警察からの電話で動いた状況から推測する限り、敦美の身が危険にさらされている状況ではないのだと思っていた。

いま、敦美の為に出来ることは、彼女の携帯を持ち歩き、連絡を待つことくらいだった。そして、その通りにすることで、免罪符は得られた。

今日中に連絡が入るだろうが、寿美と情交中に鳴らないことを祈るのみだった。

案の定、寿美は風呂を浴び、涼しげな顔でビールグラスに口をつけていた。

目は妖艶だったが、敢えて合せないようにして、残ったグラスのビールを飲み干した。

「汗を流していらっしゃったら」

寿美は、浴衣とタオルセットを俺に手渡し、今日は布団の中で、俺の身体をたしかめるとでも言いたそうに促した。

「結構暑くなってきたね。少し歩くと汗ばんでくるからね」俺は素直に、手渡されたものを受け取ると、例の総ヒノキの浴室に向かった。

 つづく

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亡くなられた片山亮介さんは あぶない女57


第57章

敦美からの連絡を待って、俺はベッドに寝ころんでテレビを見ていた。特に観たいものがあったわけではないが、ニュースのワイドショウにチャンネルを合わせていた。

「………亡くなられた片山亮介さん(38歳)は昨日午後から夜にかけて、自宅マンションの一室で死亡していました。現場の状況から、殺害されたものとみて新宿南署は捜査開始しました。金品などを物色した跡がないことから、片山さんが何らかのトラブルに巻き込まれた可能性を視野に捜査する模様と関係者は語っています。次のニュースは上野のパンダのお話です………」

一字一句覚えたわけではないが、新宿で男が殺されたと云うニュースだった。

敦美と関係あると云う確信はなかったが、なぜか、片山亮介と云う男が、敦美の旦那のような予感があった。

家に戻れば、詳しく確認する方法もあるのだが、ホテルの部屋では、敦美からの連絡を待つ以外、為すすべがなかった。

知ったかぶりしたコメンテータが、A首相の心の中を覗いてきたような詳しい解説を加えていた。

しかし、これだけ理路整然風に、妄想を話せるのは、一種の才能であり、一歩間違えれば詐欺師のように思えた。

そうか……、また気づいた。

敦美が、俺の番号を記憶していない限り、俺の携帯に電話を掛けることは不可能だった。おそらく、番号は覚えていないだろう。

ということは、ホテルに電話をしてくる確率が最も高かった。しかし、いつ連絡をしてくるかわからない。してこないこともある電話を待つ気にもなれなかった。

敦美がどれほど間が抜けていても、自分の携帯番号なら覚えているに違いなかった。そう、まさに、その敦美の携帯電話は、俺の手の中だった。

気がついてみると、あまりにも当然のことなのだが、非日常な状況に遭遇すると、人間はうっかり事実関係を見逃すようだ。特別、俺が間抜けなわけではない、そう思うことで、俺は次の行動に出た。

先ほどのニュースと、敦美がいなくなったことに関連があるか、何ひとつ手掛かりはなかったが、新宿在住の片山亮介38歳が敦美の旦那である可能性はかなりの確率だった。

敦美が突然、不自然に姿を消した状況と重ね合わせると、事情聴取、或いは参考人として任意の取り調べを受けている可能性があった。遺体の確認と云うこともあった。

いずれにしても、敦美が自分の携帯に電話を入れることに気づくまでには、相当時間がかかりそうだった。

ダブルのホテルの部屋で、何時ともわからない敦美からの電話を待つのは苦痛だった。

Oホテルを出た俺は、家に帰る気にもなれなかった。不動産屋との約束もキャンセルしたことで、半日の時間が空白になっていた。

こういう空白の時間等と云うものを手に入れたのは神の恵みかもしれないと思いながら、シャネルスーツの女のことを考えていた。

敦美が窮地に立たされているかもしれないにも関わらず、俺は他の女のことを考えていた。

時計の針は12時を過ぎていた。新井寿美にとって、最も暇な時間に違いなかった。

寝起きが悪く、不快な声が返ってきたら、名乗らずに電話を切る積りで、メモにあった携帯の電話を鳴らした。

つづく

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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