FC2ブログ

あぶない女 44


第44章

二方向に展開する大型の窓には、無論レースのカーテンも視界を塞ぐカーテンもあった。しかし、今さら、行為を中座して、カーテンを閉めに行く気はなかった。

昼下がりのホテルの一室の男女の営みを目撃出来た人物は、単にラッキーな光景に出くわしただけだった。いや、場合によると、不快な光景に映る人いるだろうから、アンラッキーかもしれない。

女のヴァギナに挿しこまれた俺の指は、敦美の指なのか、腕の一部なのか判らないが、同化して激しく動いた。

しかし、敦美が選んだゲストルームのレイアウトはかなり奇妙だった。開け放たれた二方向の窓に向かってベッドが置いてあるのだから、敦美の下半身は事実上、まる見えだった。

敦美が、その状況を理解しているかどうか聞く気はなかった。窓に向かっているのが下半身だけなのだから、オ×ンコは丸見えだが、敦美の顔がまる見えと云うわけではなかった。むしろ、俺の顔の方がまる見えだった。

しかし、今さら“待った”と声を掛けられる段階ではなかった。敦美の腕も掌も指も、無我の境地で、思いっ切りの快感を得ようと走りだしていた。

俺に勃起を要求することもなく、こんな行動に出てくれたことは幸運だった。

女に性的満足を与えるとしても、自分の勃起によって、或いは、指の協力によってでは、どこか責任の重さが違うように思えた。

実際には、単なる思い込みで、俺が、敦美と云う女に負うであろう責任の量は変らなかった。

敦美の口から言葉は消え、切れ切れな息衝きが間歇的に起きた。顔は紅潮して、小鼻がこまめに動いた。

その表情から、敦美の頂点が近いのは理解できた。

しかし、敦美の言葉を信じるなら、軽いオーガズムに達した後、更なる深いオーガズムに達し、失禁するのでよろしく。

そして、失禁しているあいだ、叱咤激励して気持ち良くオシッコをさせて欲しい、と頼まれた。少なくとも、俺は、そのように理解していた。

このキングサイズのベッドを、何の養生もなしに、オシッコでびしょ濡れにする勇気はなかったが、一日2回のベッドメークがサービスの売りらしいので、失禁処理もサービスの想定範囲と言えた。

敦美にそれ相当のオーガズムが訪れ、軽い身体の硬直と弛緩が訪れた。

その表情は穏やかで、今にも寝入るのではないか、そんな印象に見えた。

しかし、それは俺の甘い見通しで、一時の休息で息を吹き返した敦美の肉体は、更なる命でも吹きこまれたように、躍動した。

つづく

いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ


あぶない女 43


第43章

敦美の言わんとする要点を理解しようと思ったが、指先から受け取る感覚は、考えるものではなく、感じるものだったので、その交通整理は容易ではなかった。

「このままアイツと会わなければ、私は、薬を口に出来ないわけでしょう。禁断症状が出るほど重症なのかどうか判らないけど、それ程酷くない気がするの……。貴方は、どう思う?」

「どうかな、覚せい剤の軽度の禁断症状ってのが、どんなものか良く判らないからね」

「そうだよね。でも、ここ三日飲まなかったけど、それ程、何か変った感じはなかったけど……」

「そのようだね。案外、中毒症状は軽い段階かもしれないね。もう何日か様子見て、考え直してもても良さそうだ」

「それで好いよね」

「ああ、それで良さそうだ。ただ、体調とか気分が変だと思ったら、直ぐに知らせて欲しいね。まもなく、然るべき医者も紹介して貰えそうだから……」

「そこまで、私のこと心配してくれたのね……」

敦美は嬉しさを表そうと、俺の手の上に掌を重ねた。しかし、俺の指先は、敦美自身の陰部に挿入された儘なのだから、奇妙な重なりになった。

「貴方の指を使ってオナニーしても良い?」敦美の甘ったるい声が追いかけてきた。

「そんなこと、出来るかな。まあ、やってみて……」俺は、敦美の提案は成り立たないと思った。

「その指の角度、動かさないで!」敦美は、人の指先の僅かな角度に注文をつけた。

指先と云うもの、意識して動かすことはあまりないので、敦美の“そのまま”と云う望みを堅持するのは容易ではなかった。それでも、一定の安定は、敦美の望みを満たしていたらしく、俺の指先は、固定化され、敦美の指と化して、彼女の望ましいヴァギナを縦横無尽に這いまわった。

案の定、一定の盛り上がりをみせた膣壁は、Gスポット周辺の筋張った腱にあてがわれた。

「もうダメ……」敦美は、そう言いながら、それでも手の動きを休めなかった。

「グリグリ、痛めつけてやろうか?」

「もうチョッと我慢する……。でもって、手を離したら、アンタの指で滅茶苦茶にして……。ああそうだ、たぶん、オシッコしちゃうけど、出せ!出せ!って応援してね……」

敦美は、俗にいう潮吹きが、ただの排尿の解放感であることは知っているようだった。膣口から吹き出す正真正銘の“潮吹き”もあるが、99%の潮吹きは、ただ尿道からの排尿に過ぎない。

つづく

いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ


あぶない女 42


第42章

敦美は、快感ポイントを俺に知らせる仕事は放棄していた。そして、特に、強い性的刺激を求めている風でもなかった。幾分間延びした時間が最適だと言っているようだった。

考えてみれば、当然かもしれない。

敦美は、家出をしてきたばかりの人妻だ。性欲以前の問題に興味が集中しているのが当然だった。

逆に、今後の身の上の心配よりも、一時の肉体的心地よさに身を委ねる余裕がある敦美と云う女は、やはり薬の影響を受けているのか、それとも、享楽向きな肉体の持ち主なのか、或いは、俺とのコミュニケーションの手段として、オ×ンコを提供しているのだろうか、その辺を十分理解せずに、俺は、敦美の陰部に指を突っ込み、無目的に近い行為を継続していた。

「このまま動かないで」敦美が俺の腕を抑えた。

「ここが良いってこと?」

「ううん、特にそこが良いわけじゃないけど、貴方の指と繋がりながら話したいの」

「そう、構わないよ。で、なにか話したいこと浮かんだの?」

「貴方、不動産屋さん知っているかしら?」

「知ってるけど、この状態で話すのが良いのかな?」

「こういう状態が落ち着くんだけど、駄目かしら?」

「駄目ってことはないけど、少し変な感じがするけど、まあ、慣れるとするか……」俺は、素直に、その時の気持ちを口にした。

「たしかに。でもね、こう云う状態の方が、リアリティがなくて、話しやすいの。何ていうのかな、アイツのプレッシャーなんて怖くないって思えるのね。だから、しっかりとオ×ンコを支配されていたいのかな……」

「そうか、気持って、そういう不思議なことってあるから、何となく判るよ。じゃあ、しっかり入れたままで、話の続きをしよう」

「ありがとう。考えてみたら、私って、どの辺の街とか、どのくらいの大きさとか、考える知識がないんだから、全部貴方に任せた方が、早く部屋を見つけられると思うんだけど、どうかな?」

「まあ、後から文句言われるのは困るけど、それ抜きなら、常識的に、直ぐに見つかるよ」

「そうして、文句なんて言わないから。何が良くて、何が悪いかの知識もないから、当分、文句は思いつかないから……」

「家賃15万前後で、ありったけの候補を出しておくように言っておくよ」

「明日から、その候補を見に行けるとイイのだけど」

「今日からでも見られると思うけど……」

「今日は良いの、部屋探しは、明日から。今日は、私の家出のお祝いと、私と貴方は、これからどう云う関係でおつき合いするのか、何となく決めておきたいの。ううん、途中から違っても構わないけど、一応、決められた関係って規則が欲しいの。無論、その規則を考えるのは貴方だけどね」

敦美は禅問答のような会話をしながら、俺の指に、微妙に纏わりつく、膣壁の動きを伝えてきた。

つづく

いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ


あぶない女 41


第41章

部屋は、二方向の窓が大きく開口されていたので、明るかった。遠くの超高層ビルの窓から望遠鏡で覗けば、ふたりの行為はまる見えだろうが、委細構わなかった。

見たい奴がいたら、どうぞ覗き込んでマスターベーションでもしたら良い。OLが覗いたら、股間に手を伸ばすのも許してやろう。

俺の身体は、鑑賞に堪えられないだろうが、敦美の女体は、観客を魅了するだけのものがあった。

余程のもの好きでなければ、男の体を凝視する奴はいない。

おそらく、女が覗きの主であっても、品定めは、先ずは女の身体からだろう。まあ、たまたま、男の勃起がみごとであれば、凝視することもないとは言えないが、俺は未だ服を着たままなのだから、見られる心配はなかった。

「股を開きな」先日の初めての交合の時よりは、幾分優しく命じた。

敦美は、お待ち申し上げておりました、そんな感じで、大きく開放された日本橋の空に向かって、オ×ンコを晒した。

どういうつもりか分からないが、未だまだ張りのある綺麗にマニュキュアされた十本の指が、大陰唇を強く圧しながら、淫裂の扉を左右に押し拡げた。

どこから供給されているのか、ふと不思議になる程、愛液が湧き出ていた。

どこかに源泉があると、探求心が深まる理由もわかる。夢のない事実だが、その多くが、膣壁から滲み出ているものだと言われても、納得したくない気分だった。

俺の二本の指が、せわしなく、敦美のオ×ンコの中の愛液を掻きだした。

「いい、なんだか知らないけど、かゆい所を掻いてもらっている感じ。もっと爪立ててもらいたいの、強くていいの・・・・・・」

まさか、膣壁に爪を立てて掻きむしって、とリクエストをされても、どの程度の手加減なのか分からなかった。

流石に爪を動員するのは躊躇した。敦美のリクエストは、そんな風に感じるようにと云うものと理解した。

とりあえずの愛液を掻きだした俺の指は、敦美の膣壁にあてがわれた。俺は迷いながら、どの辺の膣壁が痒いのか、探り続けた。

「ポイントに当たったら、知らせてくれ」

「うん。どこもかしこも気持ちいいけど、より好いとこ知らせるね」

「あぁ、それで良いよ。じゃあ、先ずは左の壁だ」

二人は、昔遊んだ”お医者さんゴッコ”に夢中になっていた。

あらかたの膣壁を一回りしたが、敦美の口から洩れてくるのは、軽いよがり声であって、水先案内人の役は半ば放棄していた。

つづく

いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ




あぶない女 40


ーご挨拶ー

いつもご愛読頂き、心から感謝いたしております。
この度、思い切って楽天koboから 『結衣との関係』を出版させていただきました。ブログで一時連載掲載していた同作品を大幅に加筆修正の上、出稿しました。
初出版のご祝儀?
そんな優しいお気持ちの読者さまがいらっしゃるかどうか分らないのですけど、チョッとだけ、本の宣伝させていただいてます。
以下の表紙画像をクリックして頂ければ、鮎川かりんの本の販売ページが、別ページで開きます。
*成人指定にしてありますので、18歳以上と聞かれる場合はイエスでお願いします。

鮎川かりん

cover-1.jpg


第40章

日本橋のOホテルは初めてだった。三越本店を抜け、三井本店の前で車を停めて、頭上に聳えたつタワービルを、サンルーフ越しに見上げた。

昭和4年に再建された新古典主義様式の三井本店は、近代建築が好き勝手に高層化している周辺をせせら笑うような重厚な外観を誇っていた。

しかし、皮肉にも、その敷地内に三井タワーは建っていた。新古典主義様式の本店ビルと超高層のタワービルは、奇妙なバランスの景観を作り上げ、異様な雰囲気を示していた。

敦美が指定したOホテルは、そのタワービルの上階に入っていた。初めての大きな建物の駐車場を探す時は、常に、気が重かったが、“OホテルP”の洒落た標識が目に入った。

本店を通過して左、左と回り込むと、タワービルとOホテルの玄関に辿りついた。敦美から知らされていた客室番号を告げ、ポーターに車を預けた。半券のようなレシートを渡されたので、バレーパーキングと云うものを初めて体験した。

ホテルの、まあ勝手口のような所から入ったわけだから、高級ホテルのエントランスに圧倒されることもなく、専用のEVに乗り込んだ。

案の定、敦美はバスローブを羽織って、ドアロックを外した。

三十分くらいで着くので、ドアを四回したらノックしたら、開けてくれと伝えておいた。その間を狙って、敦美は、あらためて熱いシャワー浴びたようだ。おくれ毛が、まだ濡れていた。

敦美は躊躇うことなく、俺に抱きついてきた。想定内の行動だったので、慌てることはなかったが、シャブに変る依存薬として、俺が代用品にされたのでは、話はグチャグチャになるだけだった。

かと言って、無碍に突き放すのも賢明ではなかった。一定の範囲で、敦美の興奮を和らげないことには、話すと云う雰囲気にすらならないのも判っていた。

敦美の湯上りの火照った身体を抱きしめ、キングサイズのベッドに雪崩れ込んだ。

一瞬にして、敦美の女体を包んでいたバスローブははだけ、たわわな乳房も、程よいウェストのくびれも、わずかな下腹と急坂のような恥丘の盛りあがりも、みごとだった。

そして、薄墨を刷いたような陰毛のあいだから、肌の色と変わらない陰裂が顔を出していた。

既に、その陰裂の隙間から、淫水が滲み出ていた。陰裂から愛液が滲み出ているということは、膣内はおびただしい陰液に満たされていることを暗示していた。

敦美の女体の状況をたしかめた俺は、シミュレーションに従って行動を開始した。

つづく

いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ


pero-3.png




あぶない女 39


第39章

メールの意味を敦美が理解出来るかどうか、自信はなかったが、ここから先は、その能力を信じるしかなかった。

幾分、誠実さを欠いた妥協という部分は残ったが、ほぼ他人に近い人間としての誠実さの限界だろう。これ以上、俺に何が出来るというのだ……。

目が覚めたのは、昼近かった。

俺は慌ててパソコンを開いた。どこか、後ろめたさを抱えた俺の目に、はじけた文面のメールが飛び込んできた。

“ヤッホー!家出してきたよ。今、日本橋のホテルにチェックインしたよ。三日連泊で部屋が取れたので、ゆっくりのんびり。明日、会うのもこの部屋にしよう。キングサイズのベッドもあるし、景色も最高!”

敦美のメールは相当軽薄なものだったが、俺の重苦しい気分を解消してくれた。

“キングサイズ”のベッドという言葉が書き込まれている以上、そのベッドの上で性的な行為をしようという含みがあるのだろう。しかし、俺のどこかで、危険を知らせる警報が鳴っていた。

敦美の固太りな肉体には、男を魅了するものがあった。無論、シャブ中毒症状が現れている女でなければ、あの場で、文句なしに、かぶりついていただろう。

しかし、敦美が薬を飲むのをやめたよ、と知らせてきたメールが真実だと云う証明はなかった。シャブ中の度合いにもよるのだろうが、仮に、強い意志があったとしても、そう簡単にシャブの摂取から遠ざかれるものなのだろうか。

シャブ中の女と、男女の関係になった場合、俺にどのような危険が及ぶのか、そこがハッキリはしなかったが、警報機が鳴ったということは、危険の累が及ぶぞ、ということなのだろう。

敦美が、今回の家出の実行に、どのくらいの決意で臨んだのか、今ひとつ、ピンと来ない部分があった。その点は、会って聞き質すのが一番だった。しかし、会う時には、敦美は服を身につけていないような気がした。

敦美に“家を出てしまえ”とアドバイスしたのは、誰あろう、俺だった。アドバイスをした以上、そのアドバイス通りに行動した人間に対して、忠告者として協力する義務は、それなりにあるだろう。

仮に、その協力に、何らかのリスクがあると思われても、そこは、目を瞑るのが筋かもしれなかった。まして、あの肉体がご褒美でついてくるのであれば、悪い取引とは言えなかった。

敦美と云う女を全面的に信じるには、材料が不足していた。生で敦美の望みに応じるのは危険だった。

……そうか、シティーホテルだとすると、アダルトグッズの自販機はないのだから、俺のどこかを使わざるを得ない。指だけで済めばいいが、それで満足するとも思えない。そうなると、アソコを使うこともありそうだ。コンドームも用意しないと……

男の方が、やりたがるのが一般的だが、なぜか、敦美と俺の関係はまるで逆さまだった。それもこれも、敦美のシャブ中が原因だった。

本人の意図によるものではなかったが、結果的に、敦美自身はシャブ中になっていた。俺が持っていたシャブ中患者への印象は酷く悪いものだったので、当然、敦美への対応は冷たいものだった。

ただ、敦美がシャブによって、覚醒状態になっていたお陰で、俺の冷たい仕打ちが、記憶から消えている点が救いといえば救いだった。

つづく



いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ


pero-47.png


あぶない女 38


第38章

“明後日ですね。分かりました。今にでも逃げ出したい気持ちですけど、我慢します。もう、薬は飲んでいません。だから、少し鬱っぽくなっていますけど、嫌いにならないで下さい。ちなみに、アイツには、させていません”

敦美という女は、いつ寝ているのか頭をひねる速さで返事を返してきた。書き順は支離滅裂だが、言おうとしている要点は伝わるメールだった。

こうなると、敦美の、手の平を返したような態度が気になった。

悪事を企んでいる旦那の側は、注意深いに違いないのだから、今まで通り、やせ薬を飲み、欲情した女でいる方が安全だった。

しかし、薬を続けて飲めと注意するのも奇妙だった。

出来ることなら、薬で欲情した女房を演じ切れと言いたいところだが、それを伝えることで、こちらへの信頼感が、揺らぐリスクがあった。

しかし、何も注意せずに、旦那に早々に気づかれるのも、無責任過ぎる気がした。

この際、どのような注意が適切なものか、酷く迷った。

急に生理不順になったとか、作り話をするのが良いのか。風邪をひいて具合が悪いとか、そのほうがマシな言い訳なのか、かなり迷った。

しかし、鬱な状況に至っている敦美に、上手に嘘を言って、演技しろとアドバイスすること自体、無謀な賭けだった。

“もし、可能であればだけど、明日中に、そこからの逃げ出す手はあると思うよ。
有り金もって逃げ出すことが可能なら、それが一番安全かもしれない。
思い出のある物を持てるだけ持って、先ずは逃げ出すのも、一つの手だよ。
俺の予感だから、たしかではないけれど、君の演技だと、直ぐに旦那さんにバレル危険があると思うんだよね。
金さえあれば、物は幾らでも、後から買えるわけだしね。
どこでもいいから、ホテルにチェックインするのが安全策かも”

敦美に、意味が通じるかどうか判らなかったが、俺はメールを送信した。あとは、野となれ山となれ、幾分誠実さには欠けているかもと思いながら、睡魔に襲われた。

つづく

いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ
FC2 Blog Ranking

pero-78.png


あぶない女 37


第37章

かなりの長文だから、レスポンスは夜が明けてからだろうと、パソコンを閉じて、読みかけの本を開いた。

推理小説のイントロ部分を読みながら、ストーリーの展開が見えていた。読む時間が無駄な小説かもしれないと思いながら、ページをパラパラと捲った。

やはり、名前を聞いたことがない作家の作品はこんなものだろうと落胆しながら、ページを飛ばした。

ある同人誌に頼まれて、”隠れた作家発掘”と云うコーナーと云う連載に紹介する仕事の延長線だった。当然、定価で本を買っていたら、赤字になりかねないので、ブックオフの百円コーナーからつまんでくるのだが、評論に至る作家は滅多に見つからない。

それでは、隠れた作家発掘に穴が開くので、最近では小説家と云うカテゴリーを外してもらって、何とか息をついているが、実のところ、それでも、コーナーを埋める作業は青息吐息だった。

期待薄と思っていた、その女流作家の作品が思わぬ展開を見せはじめた。小説は、ちゃんと読めと主張していた。

こんな感じで、メッセージを発信する作品は、限られている。今回は幸運だった。

どこで展開が変わったのか、変わり方に不自然さはないか、入念にストーリーを追いかけはじめた。

文章は可もなく不可もなし。まあ読むに耐えられるレベルにあった。

後はストーリー次第だった。そのストーリーが目を引いたのだから、今月の隠れた作家の仕事は半ば終わったも同然だった。

十年間電池を取り替えていない掛け時計の針が午前五時を指していた。寝る前に、NYの為替と株の状況を確認しようとパソコンを開くと、メールの着信があった。

敦美からのメールだった。

“優しいメールありがとう、とても嬉しかった。多分、アイツの目的は、父の遺産だと思います。
今のところ、銀行に入っている額は2億円程度ですが、その他に、父が創業した会社の株や住んでいた家等を処分すると、あと4億くらいあるそうです。父の会計士だった人に手続き頼んでいます。
エッチの目的は、殆どない筈です。おそらく、愛人がいる筈です。ただ、あの薬のせいで、私がイヤラシクなることで、偶然でしょうが、見えない綱で縛りつけられる事も出来るのだ、と思っているでしょう。
あなたの質問ですが、無論、答えは1です。
速攻で逃げ出したい気分です。でも、そのために、具体的に、どのようにすればいいのかが分からないだけです。
ぜひ、一日でも早く、アイツから抜け出す手助けして下さい。ほかに頼めそうな人もいないので、よろしくお願いします”

敦美のメールは、まともだった。

細かい部分で注文はあるが、まあ、爆弾女だと思っていた敦美からのメールなのだから、大幅に割り引く必要があった。

俺は早速、返信した。

“そうだね、俺が協力可能なことなら手助けするよ。あまり、頼られ過ぎるのは無理だけど、一定の範囲、君が、最低限一人出来る状況になるまでの、手伝いは可能だと思うよ。夜に会うのは、色んな意味で問題があるだろうから、昼間が良いでしょう。
明日は、用事があるので、明後日、この間と同じ時間に、同じ場所で会いましょう。
もし、都合が悪いようなら、君の都合の良い日時知らせてください”

後のことは、すべて、会った上で決めればよかった。メールで、細かなことを話すのは、行き違いが起きそうな相手だった。

つづく

いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ
FC2 Blog Ranking

pero-86.png


あぶない女 36


第36章

先ほど送られてきた敦美のメールを読み直した。
 
“主人が寝たので、ようやくメールが出来ます。あなたの心配は当然だと思いますけど、大丈夫です。父の遺産です。
かなりの額ですから、一生無駄遣い出来ると思います。ただ、このままだと、使い切る前に、殺されてしまうのかもしれません。
ここから逃げ出すのが、一番良いのでしょうけど、超世間知らずなので、どうしたら良いのか、全然わからないの。
私は、どうしたら良いのか、知恵があったら、教えて下さい。お願いします、凄く恐いの”


“なるほど、遺産だったのか、それなら納得出来るね。無駄遣いは、感心しないけど。
あの痩せ薬を飲み続けているとどうなるのかは、わからないけれど、精神に異常が来るのだけは確かでしょう。命にかかわる事はないだろうけど、正常な判断力を失うことはありうる。
ご亭主が、なぜ、敦美さんにシャブ入りのサプリを飲ませたのか、目的は必ずしもハッキリはしないけど、セックス好きにさせようとした。また、貴女の正常な判断力を奪おうとした。たぶん、この2つの一挙両得を狙ったと推測できるよね。
セックスの目的の方は、ご亭主の個人的嗜好の問題だろうけど、後の、貴女の判断能力を奪うと云う目的の方は、お父さんの遺産が関わっている疑いが濃厚。
仮に、数億円の遺産が、自分の妻のものになった男は、その遺産の使い道に関与したくなるんじゃないかな?
場合によると、結婚当初から、そのような事態になることを、想定していたのかもしれない。
そうなると、敦美さんが怖がるような事態が起きることは、半分既成事実のような気がする。
おそらく、貴女を殺すような事はしないと思う。
ご亭主の犯罪が証明されたら、一瞬にして相続人の地位も失うし、人生を棒に振るわけだから、そのような暴力的手段には出ないでしょう。
現時点だけの想定だけど、敦美さんのシャブ依存症が慢性化するのをジッと待つつもりだと思う。
そして、貴女の日常的判断能力が失われるまで、待つのでしょう。
その後、ご亭主は“成年後見制度”を利用して、判断能力を失った妻である敦美さんの「成年後見人」におさまると云う計画が、見えてきます。
では、敦美さんは、その事実、或いは疑念に、どのように対応すべきか、それを考えなければならないよね。
まず、決めておかなければ問題がある。
1、敦美さんは、もうご亭主を愛していないので、速攻、別れても良いと思っている場合。
2、まだ、ご亭主に未練があり、同居していたいと思っている場合。
1、の場合、俺が手助け出来ることは沢山あるけれど、2、の場合、俺が敦美さんを助けることで、出来ることは限られる。
つまり、現在の敦美さんが遭遇している危機は、まず、貴女が、ご亭主と速攻、別れても構わないかどうか、そこに掛かっていると思う。
そして、一人住まいが出来るかどうか、そこに掛かっている。
無論、物理的には、お金さえあれば、東京で一人住まいして、優雅に暮らすことは可能だと思う。ただ、最低限、何年間かは、一人で生きてゆく意志があるかどうか、そこが決め手。
先ずは、俺としては、手助けするとしても、絶対的条件の、「1、敦美さんは、もうご亭主を愛していないので、速攻、別れても良いと思っている場合。」に該当する、そこを聞かせて貰いたい。  以上です。“


俺はそんなメールを書き込み、送信を押した。

自分の女房に覚せい剤入りのサプリを飲ませるような相手なのだから、同居を継続しながら、その危険から身を守ると云う事は、一般的にあり得ない。先ずは、物理的に、その危険から逃れるのが先決だった。

つづく

いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ
FC2 Blog Ranking

pero-77.png

あぶない女 35


第35章

敦美から返信が来たのは、午前2時を過ぎていた。敦美のメールは、そろそろ寝ようかという時間に着信することが多かったので、特に、驚きはなかった。

“主人が寝たので、ようやくメールが出来ます。あなたの心配は当然だと思いますけど、大丈夫です。父の遺産です。かなりの額ですから、一生無駄遣い出来ると思います。ただ、このままだと、使い切る前に、殺されてしまうのかもしれません。ここから逃げ出すのが、一番良いのでしょうけど、超世間知らずなので、どうしたら良いのか、全然わからないの。私は、どうしたら良いのか、知恵があったら、教えて下さい。お願いします、凄く恐いの”

文面に、ラリッている部分は見られなかった。痩せ薬を飲んだフリをして、捨てているのだろうか。

だとしたら、軽いか重いか別にして、禁断症状らしきものが出ているはずだが、その感じも、文面からは読み取れない。

いずれにしても、自分が危機的状況にいると気づいたことは良い傾向だった。俺の一番の疑問にたいしても、一番納得出来る“遺産”だと答えている。

まだ、敦美は、“シャブ中”と云う水準に達していないのかもしれなかった。

ただ、シャブが含まれている痩せ薬を飲むことで、あのような爆弾女に変貌するだろうか。その辺は、今ひとつ、ハッキリしなかった。

痩せ薬でラリッている時の敦美、薬を飲まずに苛立っている時の敦美。そのどちらも、本当の彼女の姿ではないだろう。

どちらの女と話しをするのが適切なのか、そこが問題だった。

薬を飲んでいない時の敦美は知らないが、陰鬱で、苛立ちを抱え、不機嫌になっているに違いなかった。

薬を飲んでいる敦美は、敦美のすべてが、オ×ンコに凝縮されて、躁状態で明るく勇気がある。

状況から言うなら、後者の方が前向きな行動を促すには好条件だ。

しかし、その場合は、敦美の尽きることない性欲を鎮静化する労力を惜しみなく提供しないと、目的にまで到達できないだろう。

しかし、とりつく島もないよりは、遥かにマシな選択だった。

十二分に性欲を満たした敦美は、躁と鬱の中間あたりに居るのだろうが、鬱状態に入る前の一時間くらいは、真っ当な判断力を持っている可能性があった。

俺は、その一時間に掛けることにした。

ただ、そのような状況になる前に、敦美の頭に、幾つかのサゼッションをインプットしておく方が、説得する可能性は高まると考えた。

相当長い文面になりそうだが、俺は腹を決めて、敦美に長文のメールを送ることにした。

つづく

いつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)

アダルトブログランキングへ
FC2 Blog Ranking

pero-17.png


プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

最新記事
rankig
応援してくださいね!

FC2 Blog Ranking

目次

cover-1.jpg

人妻のからだ 』(中編)

終着駅 』(長編連載中)

リンク

最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
12 | 2017/01 | 02
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

アルバム
RSSリンクの表示
検索フォーム
QRコード
QR